The 1st Rehearsal in Kaohsiung

初日の稽古を終えて、いろんな意味でYuuyaはもちろん私も「ここまで違うのか」というのがまず最初の感想です。

18時30分から稽古開始だったので、私たちは1時間前には稽古場に入ってセリフ合わせをしようと心算していました。

そんなときに登場した、製本された台本。ペラペラとめくってみたら、がっつり乱丁あり。しかもこちらが訂正を入れた日本語部分のセリフが反映されていない。

演劇に関わる人間として、台本は何よりも大切なもので、乱丁があるものを役者のみならず、その作品に関わるスタッフに渡すことは、制作を経験してきた私からすると、何よりも驚きでした。

しかも、ストックがないのか、乱丁でもセリフは見えるから「破れているところはテープで止めて使って」と。

「郷に入れば郷に従え」とぐっと噛み締めて、乱丁のないものをYuuyaへ。

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稽古前には、劇団のスタッフが床拭き開始。

しばらくすると衣装さんが登場してYuuyaの衣装合わせ。舞台の上というのは、照明もありますし、何よりも今回は戦時下なのでかなり動きも多い作品、ですが衣装はフェルト生地で作られた冬の日本の上着で活用できそうな素材…。

日本では衣装さんは、役者がいかに板の上でその役に入り込めるかを、しっかり考慮して、かつ作品の時代背景や作品の性質を汲んで作り込まれるものです。

こういうときに言語の違いは便利です(苦笑)私とYuuyaは「これは暑すぎるな…」と。

ただ他の共演者の衣装合わせはもちろん済んでいるでしょうから、このタイミングで衣装の素材を指摘することなどできませんし、しません。

ここは、Yuuyaの役者としての技術が活きるところだと信じているので…。

それが終わると、製本された台本を自分のセリフ部分にハイライトを入れることで台本を自分の台本に変えていくYuuya。

その横では、サウンドが流れたり、セットの一部が組まれ始めます。「これはかなりもう作り込まれているな…」と不安がよぎります。

何せ、台湾チームは中国兵だけの会話が続くシーンは稽古を1ヶ月前に開始しているんですから。

そこが気になっていたので、常に現地の演出助手であり私と一番やる取りをするスタッフに日本にいるときから、稽古の状況等を何度も聞いていたのですが、ほしい答えは返ってこず、彼らがほしい情報を投げてくるというパターンが多かったので、稽古が始まった瞬間ただただ私は反省。

「もっと突っ込めばよかった」

作・演出・出演のHanが稽古場に入ってすぐに、何の前触れや「今日からYuuyaが入ります」のようなこともなく、稽古場にサウンドが流れます。

そして、私の横にいる演出助手が小声で「このタイミングで、Yuuyaにこのセリフ言ってもらって」と…。

え?え??と戸惑ったところで、突然Yuuyaが舞台上にいるが、ほぼ中国兵の会話で占められているシーンをやるとのことで、Yuuyaの代役を使って「動きを覚えて」と。Yuuyaが話すシーン以外はがっつりと演出がついて出来上がっている…。

これは舞台創りに携わってきたYuuyaにとっても、私にとっても初めての経験。特に、Yuuyaは演出家でもあるので、戸惑いは大きかったと思います。

ただ、とはいえ初日。「郷に入れば郷に従え」これは、Yuuyaも私も言葉にはしませんでしたが、お互い同じタイミングで腹をくくったと思います。出来上がっている一部を確認してから、説明なしで「はい、Yuuya、◯◯ページから!」と。

何度か試しますが、上手く噛み合いません、そりゃそうです。そこは、もちろん突っ込みました。

ただ台湾チームももちろんちゃんと聞いてくれますし、そこは聞けば答えは返ってきます。私はそれをYuuyaに伝えて、彼がそれを「秋本」という役に落とし込めるかを見ます。

途中で何度かスタッフ・演者全員で円陣になって、話し合うことがあります。そこはとても大切なところで、私たちにとってもチームの一員に入っていく感を持てました。

ほんとは稽古中のたくさんん写真をとりたいのですが、稽古場は一切写真・ビデオNGということで、お見せできないのです。ただ何とか、どんな雰囲気かを感じ取れるタイミングを見つけてお見せできるようにします。

4時間を越える稽古の最後に、また円陣になって今日の感想をそれぞれ言います。

それは私を含めて全員です。英語を理解できるスタッフ・演者は限られているので、中国語で言われた感想を同時通訳で演出助手が英語で私に伝え、私がそれを同時にYuuyaに伝えます。

そして、Yuuyaの感想は、私から演出助手へ伝えて中国語に…。

いろいろな「気づき」に溢れた初日でしたが、確実に感じたのが舞台作品の創り方の違いでした。ただこの作品は日本のお客さまにも観ていただくものです。

「台湾のお客さまが理解できるように」という大前提で創り始められていたものを、私たちも彼らと一緒に「どの国の方が観ても楽しんでいただける」作品創りに少しずつ引き寄せていきたいと。

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MY COMPLEXは、世界を常に意識しているので、柔軟でありつつ、かつ私たちがその信念をしっかりもって向き合うことで、このHauntingという作品が、いろんな化学反応を起こしながら姿を変えていき最高の形で、初日を迎えられると信じています。

最後はみんなで、「お疲れさまでした」と日本語で言って終わった稽古。

その後は、演出助手と私の間で、Yuuyaの演じる「秋本」に対しての彼らの考えやイメージのズレがないか細かく話し合いました。面白いことになりますよ、これは。

ありがたいことに、東京公演も着々とご予約いただいています。是非この機会をお見逃しなく。1月17日土曜日 14時30分に吉祥寺シアターで上演します。

本当に、ひとりでも多くの方にご覧いただきたいですし、お越しいただける皆さんの想いを感じながら、今日もこれから稽古に向かいます。