English lines

台湾渡航まであと2週間を切りました。

日々「Haunting」のセリフと向き合っています。8月に参加したエディンバラフェスティバルフリンジの時は一人芝居だったので膨大な台詞量を叩き込むのに苦労しましたが、今回はそれとはまた違った大変さがあります。

前回も書いたように、今回の作品「Haunting」は劇中で英語、中国語、日本語、台湾語の4ヶ国語が使われます。

これだけで相当珍しい作品だと思いますし、かなりのチェレンジだと思うのですが、それだけに作品と向き合うのは大変な作業です。

台本は当然北京語と英語、台湾語で台詞が書かれているのですが、日本語の箇所は北京語と英語で書かれており、注釈として(日語)と書かれています。

これまで日本のみで上演する舞台であれば、送られてきた台本をただ覚えれば済む話なのですが、今回はまず、台本全体を英語に直します。

そして物語の全体像を掴み、そこから必要な箇所を英語に直していきます。そして英語から日本語(現代の日本語)に直します。

さらにそこから当時の日本語(第2次世界大戦末期頃)に直すのです。

北京語 → 英語 → 現代の日本語 → 戦時中の日本語

ですが、読んでいると違和感を感じます。

文字としては決して間違いではなく、日本語としてもおかしくはないのですが、何度も何度も台詞を口にしているとどうもシックリこない。

答えは「口語」。話し言葉か紙に書かれた文字か。

訳したときには気がつかないこの違いが、口に出して音にしてみると浮き出てくるのです。そして、そこに感情をのせるとその違いがさらにはっきりしてきます。

再び、台本を読み返します。

英語で書かれたセリフをもう一度確認し、再度日本語を訳し直します。

前後の話の流れや状況をみて一番いい言葉を探していくのです。これは通常の舞台作りにはない作業で、今回の作品ならではであり大変な作業ではありますが、それがとても面白く思えるのです。

普段、あまり気にしない翻訳や字幕を作る人の苦労が少しだけわかる気がします。

今回の舞台は第2次世界大戦末期のミャンマー。

最前線に駆り出された中国兵と日本兵が鉢合わせになるのですが、当然彼らの言葉は通じません。しかし、かろうじて英語でコミュニュケーションを試みるのです。

当然流暢な英語ではなかったでしょうし、限られた単語でギリギリの会話をしたことでしょう。

ここも前回の「NEWS JUNKIE」と大きく違うところ。

ブリティッシュイングリッシュを毎日叩き込んでいたところから、突然戦時中の日本兵が話していた英語になるわけです。こんなところも今回の作品の大変であり、且つとても興味深いところでもあります。

日本だけで舞台を創っていたころには味わえないとても貴重な経験をさせてもらっています。