Little Boy Diary – Day 10

いよいよ現地Edinburgh入りしました。只今、午前3:30。

今年は成田空港からポーランドのワルシャワ・ショパン空港経由、ロンドンヒースロー空港経由、スコットランドエディンバラ空港と3地点を経由。去年はオランダKLM航空でアムステルダム経由での現地入りでした。

毎年、どの航空会社でどの経由で行くかは非常に重要な要素になります。とにかく現地に行ければいいと言うことではないんですね。理由はいくつかあります。一つはお金。旅費を抑えるのはプロジェクトを成功させるためにも重要な要素です。日々刻々と変わるチケット代とにらめっこし、その時期に最安の旅行会社を選ぶんです。

ですが、安いだけではダメ。日本からエディンバラへの直行便が無いため、どこかの国で乗り換える必要があります。そこで重要なのが、その日のうちに現地入りできること。航空会社によってはトランジットに時間がかかり、日をまたぐ可能性が出てくるんです。エディンバラに入るとリハーサルが目白押し。それに合わせてベストなタイミングで現地入りする必要があるんです。

さらに、それだけではありません。今度は帰りのタイミングも計算しないと行けません。今回、私たちの公演最終日は8月28日。しかし、エディンバラにあるアーティスト達がよく使う宿の多くはfringe期間最終日の28日までしか営業しません。

私たちの公演本番が16時〜。17時に公演が終わってからだとその日のうちの帰国便に間に合いません。しかもエディンバラには宿(一般のホテルはありますが、高くて泊まれません)がない。そこで、公演終了後にロンドンまで電車で下り、ヒースロー経由で戻ってくると言うのが今回の算段。飛行機のチケット取るだけでも、事前に様々な要素を汲み取り、最善のパターンを割り出してからエディンバラに乗り込むのです。

(ショパン空港 → ヒースロー空港へ)

毎年、渡航に関しては様々なアクシデントに見舞われてきました。1年目は、事前に送った小道具の机が税関に捕まり届かず・・・。2年目は、ヒースローでの大停電に巻き込まれ、衣装など荷物が受け取れず・・・。それらを考慮した結果、去年は非常にスムーズにエディンバラ入りできました。

が、4年目。ポーランドで待ちぼうけ。私たちが乗る便の前の便が大幅に遅れ、3時間遅れのフライトです。ヒースローでは5時間のトランジットがありますが、イギリスの入国審査の厳しさは世界一。残りの2時間では到底入国できません。そうなるとヒースロー発エディンバラ行きの最終飛行機に乗れなくなります。

なんとか3時間遅れでロンドンに着くと案の定、入国審査で地獄のような長蛇の列。「こりゃ無理だ」と、最悪ロンドンでの一泊を覚悟しましたが、ダメ元で空港職員に懇願。「ポーランドで大変なことがあったんだよ。全部ポーランドが悪んいんだよ〜」

泣きそうな顔が効いたのか、職員が特別に外交官などの要人専用のゲートから通してくれることに。全てポーランドのせいにした甲斐があった!(ま、実際ポーランドが悪いんだけどね)

でも、それでもギリギリでしたね。その後、世界一の乗客数と世界一広いヒースロー空港をダッシュしまくり、なんとか最終のエディンバラ行きに乗り込むことができました。「いやー、やっぱり毎年色々あるなー」と、思いながらも一年ぶりやってきたエディンバラの街を眺めながらバスでいつもの宿へ。

時間は、23時近くになってました。荷物を解くのもほどほどに、早速稽古です。移動で一日潰しているので、やっておかねば、と宿の小さな部屋の片隅で台詞の確認を始めるとしばらくして「ドンドンッ!!!ドンドンッ!!!」と、どこかの壁を叩いたり、同時に泣き叫ぶ女の人の声が廊下から聞こえてきます。

しばらくは我慢して台詞を反復していたんですが、だんだん声が大きくなり、やがて男女の揉める声がMAXになり、「I want to kill myself—-!!!!F●ck you,F●ck you!!!!!」と奇声が、フロア中に響き渡る始末。これじゃあ、台詞どころじゃありません。「殺してー、なんでよー、あなたがいないとダメなのよー!」さすがにヤバそうなので、フロントに連絡しました。でも、私たちが止まっているのは普段学生寮として使っている場所なので、スタッフは若いお姉ちゃんが一人だけで、一般のホテル業務的なことはしてくれません。

やってきたおねぇちゃんも注意はしてくれるものの、男女のいざこざには入り込めず困り顔で廊下をうろうろ。「・・・ダメだ、こりゃ」さすがについたその日に、見ず知らずの白人の喧嘩の仲裁に入るほど余裕はないので、スタッフのお姉ちゃんを残し、別の階の共有スペースに移動し台詞確認の続き。それでも声は聞こえるので、全く集中できず・・・。で、たった今、恐る恐る部屋に戻ってきました。とりあえず、静かになっているっぽいので、今日のところは寝ます。

作品以外のことで、先が思いやられるエディンバラですが、これもエディンバラの醍醐味。様々な困難と戦い、乗り越える気力と体力がないとココfringeではやって行けないのです。そう、それはこの3年間で身をもって学んだことでもあります。さて、明日は早速劇場入り。

そして5時間のテクニカルリハーサルです。では、色んな意味でヘロヘロなので寝ます。続きはまた次回、おやすみなさい。