製作ノート vol.9 – Audience and Performer

来週の今頃は、もうエディンバラ。

ここ1ヶ月は1日にちゃんと24時間あるのか?と疑いたくなるようなテンポで何もかもが進みます。

Edinburghも先週半ばに各劇場が作り込みで現地入りして賑やかになってきているようです。各劇場のSNSで着々と劇場が姿を現し始めているのを目にすると、ワクワクすると同時に少しピリピリしてきます。

とはいえ、皆さんのおかげでまた今年もエディンバラに行けるということだけでも、恵まれていて、本当にHappyなことで、嬉しくてたまりません。

今の時期は、常に時間に追われています。

本番までの時間、という意味もありますが、上演時間「50分」という時間にも追われています。

fringeは、ほとんどの作品が45~60分で、前後5~15分で各カンパニーが入れ替わるという、タイトなスケジュールで動きます。それぞれのカンパニーがそれぞれの枠内に収めていかないと、その後ろの枠にいるカンパニーはもちろん、その作品を観にくる全ての観客のスケジュールを狂わせてしまうので、「時間厳守」です。

細かくラップで切って、とにかくどんな状況下でも上演時間50分を守れるように調整を続けています。

そして、今回特に気にしているのが、前回少し触れた「Audience Engagement」。

これがなかなか訳すのが難しい言葉で、日本の芸術関係の論文を読んでいても「オーディエンス・エンゲージメント」とそのままカタカナで表記されています。

簡単に言うと、どのように観客に作品と「関わり」を感じてもらえるか。舞台の上で起きている物語と観客の距離の取り方は、特にfringeでは劇評に特筆されるポイントです。

私たちは、昨年の作品で観客との距離という点で改善が必要だと学び、特に独り芝居の中で観客との関係をどう築くのかを他のカンパニーの作品を観るなどして準備してきました。かと言って、観客ひとりひとりに語りかけるような芝居はしたくない!という信念もあり…

ということで、今までの作品の中では、かなり客席に向かっている演出が多めになっています。

fringeを楽しむ観客は、舞台作品に対してまっすぐな姿勢の方が多く、面白くない、と感じれば上演中に席を立ちますし、気に入れば終演後に直接声をかけてくれたり、すぐに感想をSNSやfringeのサイトに書いてくれます。

「日本人が英語で頑張ったねー」なんて、私たちの存在そのものを否定するような発想は一切ない世界です。だからこそ、今の日本を生きている私たちにしか創り上げられない空間に観客を引き込めたら…と、試行錯誤の日々。

舞台はナマモノなので、こちらがどれだけ創りこんだとしても、そこに観客の感受性・想像力が加わった瞬間に全く予想しなかった空気が生まれることがあります。実際に現地で本番を迎えてから、「ここでリアクションが出るのかぁ」と驚くことも多いですし、同じ箇所で翌日の公演は無反応だったりもします。

要は、舞台作品は、観客の皆さんに最後の味付けを委ねているということです。

今年のTENTは、どんな色になるでしょうか。
Edinburghでも1日1日変化していくんだろうなぁと思います。現地からのアップデートをお楽しみに。

石曽根の念も日々強くなっているようです。。

製作ノートは次回のvol.10で最終回となり、そこからはいよいよ上演ノート from Edinburgh!

渡英まで5日。
Rehearsalあるのみ。