製作ノート vol.6 – Inside a TENT

MY COMPLEXにご支援いただきありがとうございます。

カレンダーを見ると、焦りに取り憑かれそうになりますが、「大丈夫、応援してるよ!」や「楽しみにしてるよ」というメッセージに励まされ、しっかり毎日進んでいます。

フェスティバル中に週に一度発行される劇評などが掲載される特別誌も始動し、いよいよ感をあちらこちらで感じます。
いよいよなんです。

そんな中、毎日、意地悪をしているような気持ちになる細かいリハーサルを続けています。
全編英語の独り芝居、言葉が伝わらないと話になりません。「英語っぽい発音」はとことん潰して、「伝わる発音」にこだわります。それに加えて、普段の英会話と異なり、舞台で観客に届ける言語を話すので、母音・子音にも気をつけて小返し。3年目なので、求めるレベルは必然的に上がります。自然についてしまった癖をとって、TENTの登場人物が話す言葉を作っています。
私たちのリハーサルについては、別の機会に掘り下げるとして・・・。

今回は、TENTの中で何が起きてる?の話をしたいと思います。

皆さん、きっとこの動画をご覧いただいたと思うのですが、

 

このTrailerの中で、フクロウの声が聞こえます。このフクロウの声、TENTの本編でも山の中に迷い込んだ登場人物が何度か耳にします。

音源として録音されたものを使うのか?いえ、ライヴの音を使います!
もちろんフクロウを劇場に連れ込むことはできないので、石曽根が鳴きます。ちなみにTrailerのフクロウも石曽根です。

TENTの中に入ると、登場人物はもちろん、フクロウも演じます。

私たち2人で全てをこなしているので、5分程度しかない「Get-in(搬入)」でセットを組み照明・音響の調整をし、客入れを完了させなければなりません。つまり、セットも照明も音響も最小限。観客の目に触れないTENTの中では、石曽根は音響の一部も演じながら担当することになります。

イギリス以外から参加するカンパニーは予算等の都合もあり、私たちのように演者が音響・照明を同時にこなすことはよくあることです。
ありがたいことに、私たちは2人とも舞台に関係するいろんな役割を経験したことがあるので、エディンバラのこの環境も乗り切れています。

TENTの中に話を戻して…今回の物語は2人の男が登場します。
独り芝居なのに2人。この物語を語る男と、外に出るのが怖くてTENTにこもりっきりの男。お互いをよく知っているようですが、性格は全く違う2人。舞台の面白いところは、観客の想像力に多くを任せるところです。TENTの中からは声しか聞こえず、観客はもう一人の男の様子を想像するしかありません。

物語が進むにつれ、TENTの中と外にいろんな意味が見えてきます。
「TENTの中には何が?」という疑問が、50分の物語を通して解消されるのか、それとも疑問から別のものに形を変えるのか。。
ご覧いただく方それぞれが、それぞれの答えを見つけてくださるのが一番です。

TENTの中は、現実と物語の世界が共存する劇場の「袖」でもあり、登場人物のひとりが必死に自分を守る場であり…創作を続けながら、私たちもこのTENTがどんどん異なる顔を見せてくれるので、ひとつひとつを丁寧に観客の皆さんと共有したいと思います。

次回は、何枚か写真をお見せできるノートにする予定です。
さて、リハーサルに浸かってきます。